


歩き方がおかしい・立てないという症状で針治療をした犬が66頭、
そのうち椎間板ヘルニアが疑われた犬は46頭でした。 (全ての犬がグレード1から4の症例でした。)
2年間でのべ526回の針治療を行い、 46頭中、約84.8%にあたる39頭が回復しています。
残り7頭中の6頭は治療の途中で来院されなくなったため効果判定できませんでした。
あじな動物病院で針治療をしたほとんどの犬が、 他の動物病院で治療したけれど歩けない、
手術をしたけれど立てなかったケースです。
このため針治療をした後に回復した犬は、 「針治療が有効だった」と考えて間違いないでしょう。
1週間に1~2回の針治療を行い、3週間以内に回復した犬が33頭です。通院期間の目安になると思います。
また、治療の開始が早いほど治るまで期間が短いというデータが得られています。
逆に、椎間板ヘルニアになってから針治療を始めるまでに半年、 あるいは1年以上経過していたワンちゃんは、
効果が出るまでに4ヶ月~1年かかっています。
早期発見、早期治療が犬の椎間板ヘルニアの針治療でも大切です。
グレード5の椎間板ヘルニアに対する針治療の効果は、 この2年間来院がないためデータがありません。理論的には、
グレード5でも神経と足の筋肉との間に連絡が残っていれば、 針治療の効果が出せると思っています。 逆にグレード5の中でも、
脊髄がヘルニア物質により完全に破壊されている完全麻痺の状態には、 針治療での効果は望めないと思っています。
みんなご機嫌ですね。
針治療で使う針がキチンと「ツボ」に入っているときは、 「痛い」というより「気持ちいい」という感覚になります。
犬がリラックスしやすいように、針治療をしながらオヤツをあげています。
針治療=オヤツ、 針治療=気持ちいい ➡ 気持ちいいのでリラックス ➡ 筋肉がゆるんで針治療の効果がアップ。
気持ちが良いと、脳から神経の回復を助けるハッピーホルモンが出て、 神経や筋肉の回復を助けるのです。
痛くもこわくもありません。
治療効果を高めるため、 飼い主の方に付き添いをお願いしています。
一緒にリラックスして治療にのぞむことが、 針治療の効果を高めるためにとても大切なことなのです。
心がけているのは、 犬にとって気持ちの良い・心地よい針治療です。
病院が大嫌い・痛いことをされるのではと獣医さんが怖いというワンちゃんには、
・病院に慣れる練習、オヤツをもらう練習を先にする ・ふかふかのマットやタオルの上で治療し少しでも緊張を和らげる
・素早く処置を済ませてストレスを減らすなど、出来る限りワンちゃんの性格に合わせて対応しています。
肩こり、腰痛、もんでもらうと気持ちの良い場所がありますよね?
その気持ち良いと感じる場所の中で、 押してもらうと気持ちがいいのだけれど、
もっと奥まで刺激して欲しいと感じる場所はありませんか?
でも指圧ではそこまではどうしても届かない。
その指が届かない刺激をして欲しいポイントに「ハリ」を刺して刺激をする、
コリがあるならほぐすのが「針治療」だと考えて下さい。
また、ツボの中には、 脳や遠い他の部分とつながっていて、 色々なスイッチをオン・オフできるツボがあります。
歩けなくなってしまった犬に必要なスイッチを選び、 針を刺して刺激することで、失敗に終わった修理を再開させます。
そして弱ってしまった神経や筋肉を刺激し、 再び立って歩けるようにするのが椎間板ヘルニアの犬のための針治療です。
犬と飼い主さんがリラックスして針治療にのぞめるよう、
出来る限り予約の上での来院をおすすめしています。
針治療の料金 |
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■初診料金 ………………………………………… 1,500円~ |
■神経学的検査・中医学検査(初回)………… 5,000円~ ヘルニア部位の特定、原因となる体質のチェック、ツボの決定 |
■針治療 …………………………………………… 7,000円前後 針をツボに刺し、手で刺激する治療法 |
■針治療+通電治療 ……………………………… 10,000円前後 ツボに刺した針に治療器をつなぎ、弱った筋肉・神経を刺激する治療 |
■特殊注射 ………………………………………… 4,000円~ 椎間板ヘルニアになって1週間から2週間以内のワンちゃんで、炎症をおさえて神経の損傷を少しでも減らす 必要がある場合、特殊な注射をご提案することがあります。 |
※針を打つツボの数、治療時間、針を打つ難しさ
(犬が動いてしまう、痩せていて筋肉がな い、ツボの種類)によって料金が変わります。
※歩けない・立てないケースには、週に1~2回の針治療を行っています。
※治療のスタートが早ければ3-4回の治療で効果が見られます。
予約・ご相談 ➡ TEL. 0829-39-6292(あじな動物病院)
椎間板ヘルニアになったワンちゃんが暮らしている環境を調べると、
「フローリング」の上で暮らしているケースがとても多いです。
日々の生活で滑ってしまうことが多く、 腰に余分な負担がかかってしまいます。
犬種による遺伝の要素ももちろんあるのですが、 犬が家の中で滑らない工夫、 ソファやベッドの登り降りで
腰に負担をかけない工夫がとても大切です。
じゅうたんを敷く、子供用のマットを敷く、 犬用の足が滑らないワックスを塗るなど、
足を滑らせないための対策をとりましょう。
二つ目は、適度な運動で筋肉をつけることです。
椎間板ヘルニアに限らず、関節の負担を減らすには筋肉がとても大切です。
足場の良い所でしっかり散歩をし、 良質のタンパクをとって筋肉を維持しましょう。 肥満の予防にもとても大切なことです。
肥満は腰への負担を増やします。
また肥満の犬は血液やリンパ液がドロドロで流れが悪く、 椎間板にしっかりと栄養が行き渡りません。
やわらかいクッションを維持できなくなると椎間板ヘルニアを起こしてしまうのです。
三つ目、動物の体の60-80%は水分で出来ています。 キレイでおいしい水にをしっかり摂ることで、
血液をさらさらにし、悪いものをドンドン体から出しましょう。 みずみずしい健康な体は、病気になりにくいですよ。
硬度が30~40以下の軟水・天然水がおすすめです。
最後に、元気な椎間板・筋肉を作る食事を大切に。 柔軟な椎間板を維持するには、元気で新鮮な食材が大切です。
普段の食事にキャベツ・ニンジン・ブロッコリーなどの野菜やウズラ卵などをトッピング、 フィッシュオイルなどのサプリメントも積極的に利用したいところです。 あじな動物病院では犬の体質に合わせた食事相談を受け付けています。
料金は30分4000円(予約制)です。是非ご利用ください。
私が針治療をする理由は、 グレード4までの椎間板ヘルニアであれば、
早く、確実に、そして犬の負担が少なく治療することが可能だからです。
一般的には背骨の中の神経を圧迫している物質を手術で取り除き、 根本を解決する治療が推奨さています。
しかし、メスを入れ、筋肉を削り、骨を削らないと原因の物質を取り除けません。
犬の肉体的な負担がどうしても大きくなってしまいます。
ダメージを負った神経・脊髄の回復に加え、 手術で消耗した体力・傷の回復にも時間が割かれてしまいます。
これが針治療であれば、 数日で痛みを取り除き、 治療の開始が早ければ2~3週間で歩き始めます。
「手術をしたくない」という飼い主さんの希望を、 出来る限り叶えたい。
自分の足で立ち上がり、 飼い主さんと一緒に歩いて帰っていく。
その後ろ姿を見るために、 私は椎間板ヘルニアの犬に、 これからも全力で針治療をしていきます。
他にも針治療で症状を軽減できる病気があります。
椎間板ヘルニア以外の病気について針治療のご相談は、 院長の中西遵までお電話をください。
予約・ご相談 ➡ TEL. 0829-39-6292(あじな動物病院)